« 分析家の独り言 194 (ひきこもり:ある症例) | トップページ | 分析家の独り言 196 (不登校・ひきこもり:オールOKで母も子も成長) »

2009年5月29日 (金)

分析家の独り言 195 (母の存在)

荒れる子どもに対応したあるクライアントが言う。

子どもの持っている可能性が開花することは、自分が開花することと同じくらいうれしいと。

人はあたたかい環境の中でしか開花できないことを知った。

そう、それが親ことに母親がするオールOKという環境。

子どもは傷付き、歪んだ自分をこの中で癒し、快復し、元気になっていく。

このクライアントの息子は、あるトラブルを抱えヘトヘトになっていた。

荒れていた頃なら、相手に自分の言い分が通らないとキレて暴れていただろうが、息子がじっと耐えて冷静に対処している。

世の中、話の通じる人ばかりではない。

しかしもう、相手を殴って解決はしない。

詰まりきって、母であるクライアントにこれこれこうでとしんどい心情を話し、どうしたいいと思うと聞いてきた。

息子は自分で、「俺も大人になったわ。自分でもようキレンようになったと思う」と言ったという。

思わずうなづく、本当に大人になったなぁと・・・

クライアントは自分の経験から、こういう場合はまず弁護士に相談してみてはどうかと息子にアドバイスした。

早速息子は次の日、弁護士のところへ行ったらしい。

その帰りに電話をしてきて、「行ってよかった。すっきりした」と明るい声で報告があった。

人は泣き言や、愚痴、悩みを言える相手がいることがいかに大事であるか。

相手(子ども)の気持ちを汲み取って、共感して、話しを聴き続ける。

そしてクライアントはしみじみ思う、自分にはこんな風に自分を受け取ってくれる人(母)が居なかったなぁと。

それでもひねくれないでおこう。

「よく頑張った、よくここまで来たな」と自分を励まし、自分をなぐさめる、もう一人の自分が言う。

自分で自分を受け取るしかない。

どんなに悲しい自分も、みじめな自分も、嫌な自分も、それも自分と認めて、そんな自分とも手を携えて生きていきましょう、と私は言った。

マイナスの自分を自分が見捨ててしまったら、誰がその自分をすくい上げてくれるのか。

それをするのは自分しかない。

もう亡くなってしまった母や、年老いた母にそれを望んでも叶えられない。

しかしまだ、母親としてそれが自分にできるなら、子どもにしてやれば子どもはより楽に越えて行ける。

そのためにやはりオールOKである。

母の存在の大きさを思う、と同時に自分と向き合うことの大変さと大事さを思う。

« 分析家の独り言 194 (ひきこもり:ある症例) | トップページ | 分析家の独り言 196 (不登校・ひきこもり:オールOKで母も子も成長) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 分析家の独り言 195 (母の存在):

« 分析家の独り言 194 (ひきこもり:ある症例) | トップページ | 分析家の独り言 196 (不登校・ひきこもり:オールOKで母も子も成長) »

2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のトラックバック

無料ブログはココログ