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2009年5月29日 (金)

分析家の独り言 196 (不登校・ひきこもり:オールOKで母も子も成長)

最近、私どものラカン精神科学研究所のホームページや各サイトを見たと、分析依頼の電話をいただくなかで、不登校・ひきこもり等の子どもさんが「ここの考え方は自分に近い」などと言ったと、その親御さんから言われることがよくある。

おそらく『オールOK!子育て法』や、『ひきこもりに悩む方々へ』のサイトを読まれたのだと思う。

子どもさん達には絶賛されるのだが、オールOKをしてもらう親御さん、特にお母さんには受け入れがたいことなのだろう。

子育て法としてお話をするとき『オールOK』のことを言うと、だいたい「子どもをそんなにあまやかして、わがままさせていいんですか」と言われる。

それでも、他の相談機関やカウンセリングを受けるなかでも、子どもへの対応法としてオールOKと同じ様なことを言われたというお母さん方がおられる。

私はお子さんの状態、日常の様子を聴いて、具体的な場面での対応法を話し、オールOKを徹底してもらう。

そしてそのことがなぜ子どもにとって良いことなのかを、実行するお母さんに納得してもらえるようにする。

不登校やひきこもりに至るまでの子どもさんへの接し方を聴くと、いろんな問題点がみえてくる。

例えば
・ 「ああしなさい」「こうしなさい」「それはいけません」と、命令指示が多い。
・ 親の価値観(良いと思うこと)を子どもに押し付ける。
・ 子どもの話をよく聴かない。
・ 子どもの気持ちを汲まないで、すぐ対策法を言う。
・ 子どもを親のストレス、愚痴のはけ口にしてしまう。
・ 甘やかせてはいけないと厳しく育てた。
・ 失敗を責める。

等など、これでは子ども達は主体性や自己肯定感、自信を持てず、自我が育たない。

自己否定や自信のない脆弱な自我で人と接しようとしても、上手くいかないのは当然。

人から自分がどう見られているかが気になり、それに腐心する。

言いたいことが言えず、自分を出せず、人に合わせているだけにも疲れる

自然と、友達はできにくく、そんな自分にまた落ち込む。

人一倍友達が欲しいと思っているにもかかわらず。(ただしこれは、無意識下に抑圧されていることもある)
 
学校や社会の中で、人と関わらずに生きていくことはまず不可能である。

すると人と関わる場所から撤退する、つまり不登校・ひきこもりとなる。

そこでオールOKして、もう一度育てなおしをする。

そこでまた問題となるのは、オールOKをするお母さんの無意識と養育史である。

頭や理屈でオールOKをすることが子どもの自我を育て、子どもを活き活きさせることになることはわかるが、実践しようとすると、母親自身の育ち方と、それによってつくられた無意識が邪魔をする。

オールOKしたくても、できないのである。

そこで、お母さんの無意識を分析し、なぜできないのかを見ていくことになる。

そこには母親自身の育つ中での傷付きや、親に対する愛と憎しみのアンビバレンツ等がある。

母親自身の無意識を意識化し、子どもへのオールOKをすることにより、子どもとの良好な関係が築かれ、子どもと共に母もまた人として成長する。

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