« 分析家の独り言(マイケル・ジャクソン) | トップページ | 分析家の独り言(不登校・ひきこもり:主体性をもつ) »

2009年7月 1日 (水)

金谷氏今月のメッセージ (平成21年6月)

(以下は分析家仲間の金谷氏のHPにある金谷氏の今月のメッセージを私のブログで紹介しているものです。)
  テーマ「法で裁けない罪」

 最近、精神科・心療内科から当研究所に来所される方が増えてきた。
医師に不信感を抱き苦しんだ果てに捜し求めて来る。医師がおかしいと気付かれる方は早くて一年、少なくとも3年はかかるようである。
電話帳とHPを見てだが、折角問い合わせてきても保険が利かない上に一回・一時間10000円もする。
どの様な治療をされるのか?の問いに「言葉で治療します」と言うと・・・・・・・・・益々分からなくなり、医師に不信感を抱き、猜疑心の固まりの様な状態である為に、治療契約が成立する方は数名にすぎない。
それでも、その難関を突破して、面談に漕ぎ着けた方には精神分析のすばらしさを理解してもらえる。
 今回その中のお一人、Tさんを紹介したいと思います。
 某市役所に勤めておられましたTさんが、TOPに不信感を抱き耐えられなくなって、苦しんだ挙句「うつ病」と診断され、精神的に追い込まれ登庁出来なくなってしまった。
方法が分からずしかたなく心療内科にて受診され、投薬中心の医師の対応に不信感を抱き、納得できず、当研究所を訪れた。
面談した所「うつ病」ではない。それどころか役所のやり方やTOPに対しての評価が正しく判断出来る。
そのやり方などに目を瞑りそれを押し切ってまで登庁しなければならないメリットは何もないと答えが出てしまい、役所には行きたくないと決めただけで、意味もなく登庁できないという出社拒否ではない。という事が分かった。
だから、見た目は元気だし到底「うつ病」には見えない。 故に医師は「怠けている」と思い込んで治療にあたっている。
 Tさんにとっては、心外であり事実を説明しようと思っても10分間診療では何も伝える事が出来ない。無理してまとめて省略して伝えたら怠けて・行きたくない=言い訳・にしか取らない。
でも、そんな所にも診療に行かなければならないのは「休職」と言う制度を利用して回復しなければならないからである。
それには「診断書」が不可欠だからである。ある意味そんな所に通院しなければならない方が、うつ病になりそうである。
原因も分からない。治療は、投薬だし、気持ちは理解してくれない、行く意味がない・・・と言えるのは正常であると思う。
 それよりも役所に行けなくなった事には、必ず理由・原因が有る。その原因が分かれば治る。実はその原因は自分の考えられる範囲には無い。意識の世界には切っ掛けはあっても原因は無い。自分には考えも及ばない所にある。
この様な状態に陥る人は頭もいいし仕事もバリバリしていた人で自信がある人なのである。
それ故に自分で「何でこうなってしまったのか?」と問いかけても分からない。
自らの力に不信感を抱き落ち込むのである。そこに自分がまったく知らない「無意識」の世界が有る。
見えない世界に答えがある。そうはいっても俄には信じることは出来ない。当然の如く医師にこの事が通じる訳も無く、一笑に付されて終わりである。
家族も友人も同僚達も真に理解出来ない為、ただ単に励ますだけで本当の手助けは出来ない。
医師もダメ、家族友人同僚も・誰も分かってくれないと思い込み孤立無援になり、最悪「命を絶つ」と言うことになる。
クライアントのTさんは、病院は診断書をもらう所、心は分析でと、割り切って戦うと決められた。
それでも、分かっているものの病院に行くのは憂鬱で、役所に診断書が必要になる為仕方なく通院すると言う状態である。
 ある日、医師からショウトケアに参加するようにと半ば強制的に言われた。逆らうわけにも行かず無理に参加したが何の利益にもならず余計失望してしまった。
今回お話したいのは、Tさんが体験したこのショウトケアでの出来事なのである。
ショウトケアに参加し始めて1年程度になる。2・3週間に一度の割合で・・・途中2ヶ月ほどブランクあったりと、そう真剣には参加していなかったが、しばらくぶりに参加してみると参加メンバーも随分と変り大半が30代で、いつの間にかTさんは最年長になってしまっていた。
この出来事が起こったのは、いつものように10人ほどで本の輪読の後「先週の振り返り」と言って、各々が立てた目標の達成具合やそれ以外の出来事などを簡単に発表していくコーナーの時間だった。
その中で必ず参加している30半ばの男性の事だが、彼は薬のせいか・・話し方もゆっくりしていて搾り出すようなたどたどしい言葉で「先週は・・・・・・ストレス・・・の・・・かなりストレスの・・・・かかる・・・・ことがあり・・・まして」と話すのに躊躇しながらも何とか話を続けた。
彼は、職場から障害年金を申請したらどうかと勧められた。それには最初に診察を受けた病院の診断書が必要になり、4年ぶりにその病院・心療内科へ再度訪れた。
(過去、2・3度通ったが医師と心理士が2週間ごとに交互に診察するシステムでその診療方針が合わず辞めた所である。)
 再診察を始めるやいなや、いきなり医師から「あなたの精神年齢は低すぎる!」と叱られ、彼は驚きと同時に怒りすら感じた・・・が診断書を出してもらう手前、頭を下げて誤った。
取り合えず、診察は進められていき、最後に彼は医師に尋ねた「この頃疲れやすいんですが・・」と言うと、医師は腕時計を指差し激しく怒鳴りつけた。「それは現在かかっている先生の治療が悪いからだ!もう5分経っているのですよ!待っている人の事を考えないのか!」と・・・・
彼はその時の事を話しながら唇は小刻みに振動、声は震えていた・・・・・医師の胸倉をつかみたい心境だったと言う。
「ぼくのこと・・・を・・・2・3度・・・・しか診察・・・しないで・・・、こういう病気だと・・・・・言うことを・・・・知って・・・いるくせ・・・・・に・・・・・」・・・・・・
かれの憤りの激しさが他のメンバーにも伝わった。許せない彼は保健所へ訴えたが「指導します」と回答を得てひとまず納めた。
が、「でも眠れず何度も泣いて・・・」「お金は要らないんです。・・・ただあの医師・・・に刑事罰・・・を与えたい・・・どうしようかと・・・」「訴訟をした方がいいのか・・・・忘れた方がいいのか・・・迷っている」と彼は言った。
この話を聞いていた心理士は、わざと知らんふりをしうつむいていた。
ショウトケアの終わりに感想を述べるコーナーで彼は「・・・・・親身になって聞いて・・・・・・くれて・・あり・・・がとう・・・ござ・・・・・・・・・・・・・・・・」と声を詰まらせ最後には言葉にならなかった。
 こうして「心療内科」の医師達は人の一生を破滅させて行くのだと言っても過言ではない。
この話をTさんから聞いて、私は精神分析をしていて良かったと、今本当に思った。
精神分析は「言葉で治療する」これは言葉で人を生かしていくと言うことである。
心療内科は逆に「言葉で人を殺し薬で治療してるのだ」と。これは法律では裁けない。これほどひどい状態でありながらどうすることも出来ないのが現状なのだ。
厚生省も法律もこれを裁く事は出来ない。日本には監視するシステムは無い。それを良い事に自らの主観を元に治療はやりたいほうだいと言われても仕方ない。我々が指摘しても聞く耳を持たぬ。反省もしない。あらためようともしない。我々に聞いてくる謙虚さも無い。これは天下の大罪である。。
Tさんは「かれはよく自殺しなかったなあ・・」と思いました。と言われた、同じ状況にあり、彼の思いが本当に分かるのはTさんなんだと私は感じました。
精神を治療する為には知識・理論が必要である事はもちろん《人の痛みが分かる人》でなければならない。それには医師も最低5年間の教育分析を受け精神とは何かと言う事を知る必要があると強く訴えたい。!!
所長  真理攫取

http://www.k5.dion.ne.jp/~kanaya/金谷精神療法研究所

http://lacan-msl.com/contents.html>ラカン精神科学研究所 のホームページもご覧ください

http://lacan-msl.com/heart/
参考:月刊精神分析09年05月号 特集 精神分析家をえらびますか?

« 分析家の独り言(マイケル・ジャクソン) | トップページ | 分析家の独り言(不登校・ひきこもり:主体性をもつ) »

分析家の独り言」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 金谷氏今月のメッセージ (平成21年6月):

« 分析家の独り言(マイケル・ジャクソン) | トップページ | 分析家の独り言(不登校・ひきこもり:主体性をもつ) »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック

無料ブログはココログ