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2009年7月28日 (火)

金谷氏今月のメッセージ (平成21年7月)

(以下は分析家仲間の金谷氏のHPにある金谷氏の今月のメッセージを私のブログで紹介しているものです。)

                 テーマ 『精神分析とは?』

  ホームページやタウンページを見て知り、問い合わせをしてこられる。

答えはいつも同じ「言葉で治療します。」と答える。しかし、漠然としていて理解に苦しむ。

 ちなみに日本では学校生活や日常生活の中で、精神分析と言うものにふれる事はまったく無い。それに比べて欧米では、サイコセラピーをほとんどの国民は知っている。

アメリカでは、大統領も問題があれば受ける。そして、受けた事を堂々と発表する。
では、言葉で治療するとはどういう事か説明をしたい。

人間は生まれた時は言葉を持っていない。認識力も無い。言葉は自らの中から出てくるものではなく、外界から摂取するものである。

問題は摂取するのは良いが悲しい事に摂取するそのものが「良いか?悪いか?」「必要か?そうでないか?」「正しいのか?間違っているのか?」という事を識別する力が備わっていない。その事が非劇を生み出す。

目の前のものをそのまま、聞いたものをそのまま内に取り入れてしまう。それがどんな形で自分の内に存在しているかも知らず。

悩みを持ってこられた時、よく事情を聞くと語られるのは意識上での事で有り、自分も分かっている。しかし、あくまでも状況説明だけで、何故こうなったのか、どうすればいいのかまったく分からない。

人間は生きてきたのは、幼少期から今日までの積み重ねである。そのどこかに原因が潜んでいる。それを語り合いながら見つけていく。

そこには巧妙に仕組まれた言語の世界がある。

最初に申し上げたが言葉は自分のものではない。そして、それを認識出来ない。上手く使う事も出来ない。

だが、人間の感覚機能は産まれた時と大人になった今も変らない。

大人になって嫌な事に出会えば避ける事も出来るし言い返すことも出来る。自らを納得させて収める事も出来る。それが出来るから傷つく事も少ない。

だが、子供時代はそうはいかない。言葉と状況が理解できないが故にこういうことが起きる。母親は子供の事が嫌いなはずは無い。大切に思わない事も絶対にない。

 子どもを育てていく中で母親は子どもに関わる事だけではなく、主人の事・家族の健康管理・自分自身の事と、外から見てる程楽ではない。

そこに分けの分からない子どもが色々要求して来る。それを重要な事、必要な事などと聞き分けて対応していく。

大人の常識から、子どもを後まわしにしなければならない時がある。その時十分に子どもに納得させる事をせず、あっちへいってなさい!今忙しいから!そんな事は後で!何をわけのわからない事言ってるの!と排除してしまう。

母親としては別にそんな悪い事をしたと言う自覚はない。しかしながら悲しい事にそう扱われると、子どもは「自分は嫌われているんだ」自分なんか要らないんだと感じてしまう。

 自分の心の内に「自分はいらない子、必要の無い子、嫌いな子」と言う言葉を刻み込んでしまう。

非常に辛く哀しい事なので、意識上に持ちこたえる事が出来ず、無意識の世界に送り込み安定をはかってしまう。

この無意識に送り込んだものは完全に消滅したわけでなく、いつも自分のそばで存在している。これが何かの切っ掛けがあれば意識の世界に飛び出してくる。

これが悩み苦しみとなって意識の世界に現れる。言わば知らない言語に苦しめられるのである。

意識して作った言語ではなく、子ども時代にそう感じてしまった事をその時の言葉で書き込んだのである。

大人になればより一層、言葉の意味が分かるので完全にそうだと決定付けてしまう。

フロイトはこれを事後性による意味づけと言った。子供時代に仕方なく作らされた言語を書き変えない限り、一生その言語に突き動かされていくのである。

時には、それが一生を左右する原因になっている事もある。

精神分析は悩み苦しみの原因になっている「言葉」を、夢分析を使いながら解明していく。

夢は確実に表現してくる。分析が行き届かなければ、分析されるまで何度も姿を変えて現れる。

 又、原因になるものは一貫して繰り返し表現する。最後は自分自身でその言葉に出会う。

その言葉と原因が分かれば解決する。一般には分析に来なければならない人は、おかしな人、病気の人、だと思っている人達がほとんどである。

それは大きな間違いである。悩みや苦しみを表現する人は、正常であるからこそ正直に表現するのである。

悩み苦しみなど感じない、感じててもそのまま放置している人の方が異常者だと申し上げたい。

常識や他人のわけの分からない言葉や先入観を捨てて、自らの心の内に目を向けると新たな自分に出会う事が出来る。

世の中にはインターネットに精神分析の悪口を書き込んでいる人がいるが、この人達は精神分析を受けたことが無い人か、都合が悪くなり逃げ出した人達である。

自信をもってそう言える。何故ならば自分が受けて今は、分析する側に立ち両方を味わった時、人間のすばらしさに出会い最高の感動を得たからである。今は幸せだからである。
所長  真理攫取

http://www.k5.dion.ne.jp/~kanaya/>金谷精神療法研究所

http://lacan-msl.com/contents.htmlラカン精神科学研究所 のホームページもご覧ください

http://lacan-msl.com/heart/参考:月刊精神分析09年05月号 特集 精神分析家をえらびますか?

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