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2009年7月29日 (水)

分析家の独り言(千葉市の母娘殺害・連れ去り事件)

千葉市花見川区の団地で店員豊田愛子さん(61)が殺害され、次女智美さん(22)が連れ去られた事件で、仲田敬行容疑者(28)が逃亡先の沖縄で、智美さんと海水浴や水族館など観光地巡りをした詳細な足取りが26日、タクシー運転手の証言で分かった。

運転手は「2人は口数は少なかったが、カップルにしか見えなかった。でも、保護された直後、智美さんはほっとした笑顔を浮かべていた」と語った。

また、千葉北署捜査本部によると、栃木県内で見つかった逃走車両から、団地付近で見つかったものとは別の刃物が見つかった。智美さんは「脅された」と話しており、車内で仲田容疑者が刃物で智美さんを脅していたとみている。

http://www.47news.jp/CN/200907/CN2009072601000506.html より抜粋)

保護された智美さんは、母親の殺害現場を目撃し「逃げたら危害を加えられると思った」と話している

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この事件を聞いて、智美さんは逃げようと思えば逃げられたはずなのに、なぜ仲田容疑者から逃げなかったのかと不思議に思った人たちもいるだろう。

人間の心理とは複雑なもので、知美さんは自分の母親が仲田容疑者に危害を加えられた現場を見ただろう。

母親が死に至たり、仲田容疑者に抵抗したり、逃げたなら自分に対しても同じことがおこるかもしれないという恐怖を抱いたはずである。

この恐怖は強烈なもので、見えない手錠で知美さんを縛る。

例え逃げても、自分を探し出し、今度は自分が殺されるかもしれない。

警察も自分を守ってくれる保障はない。

恐怖によって、人を奴隷化し自分の言うことを聞かせるとが出来る。

被害者(智美さん)その人に直接的に脅したり危害を加るのと同じくらい、別の人(母)への脅しや危害を見せ付けることは効力がある。

それはその暴力や危害がいつ自分に向かうかもしれないという恐怖である。

人はこれに縛られ、奴隷化されていく。

犯人の言いなりになり、動くしかない=これが智美さんが「逃げたら危害を加えられると思った」、「楽しそうにしていないといけないと思った」という言葉に表れている。

こうして被害者は犯人の心理的支配下に置かれる。

奴隷化とは、完全受身性にし、被害者が一切自ら考えて動くという能動性を許さない、全面降伏させること。

そこには被害者に絶対的無力感がともなう。

自らが何かを考え行動することが無くなり、言いなりとなる。

この状態に置かれたと感えられる。

だから逃げられる状況にあっても、逃げられないのである。

智美さんの受けた心の傷(PTSD)が今後心配される。

回復には、援助者と時間がかかるだろう。

これは家庭における虐待についても同じことが言える。

あからさまな虐待でなくても、日常的に親から子にそれとは気付かれないうちに起きていることがある。

http://lacan-msl.com/contents.htmlラカン精神科学研究所のホームページ

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