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2009年10月30日 (金)

分析家の独り言(自分らしく生きる)

クライアントの話から、子どもに「早く、早く」と追い立てたということを聞く。

おそらく私も私の親から同じように言われていたのだろうと思う。

私も子どもを育てる過程で子どもを「早く、早く」と追い立てていたからだ。

保育園に行く娘に「早く着替えなさい」、「早くご飯を食べなさい」「何やってんの、遅い」と。

急き立てる私に娘は「何でお母さんは早く、早くが好きなん?」と言った。

当時私は娘のそんな言葉に気を止めることもなく、相変わらず追い立て急き立てていた。

自分の内で常に「早く、早く」という声が回っている気がした。

長い間、それさえも気が付かなかったのだが、そんなことに気が付き始めたのもやはり分析を受けてからだったと思う。

「早く洗濯をして」、「早く家事を済ませて」、「早く仕事をして」・・・ 毎日毎日・・・ 疲れていた。

あるとき思った、そんなに急いで私は何をしたいのか?どこに向かっているのか?

早く、早くの先にあるもの、行き着く先は「速く棺桶に入ることじゃないか」と気が付いた。

そんなに私は死に急いでいたのか。

おかしいよね、私。

何でもっと、生きる過程を大事にして来なかったのか。

いろんな問いが自分の中に湧いてくる。

そして「早く、早く」と死に急ぐ生き方は辞めると決めた。

そこに何の意味もない。

では、なぜ私の中で「早く、早く」のレコードが回っていたのだろう。

多分、大家族の中で母は家事に仕事に忙しく追われ、子どもの私にも自分のことは自分でさっさとしてもらわなければ困ったのだろう。

その母が私に「早く、早く」と言っていたのだろう。

親の口癖は、くり返し聞くことになり、子どもの心に刻まれる、刻印される。

この無意識に刻印された言語に従って、人は生きていくことになる。

自分の意思とは関係なく。

他にもいろんな言葉を言われているはず。

まだ気付かないその言葉を見つけ、書き換えていくのも分析の仕事である。

あるクライアントは自分を縛っているものをしっかり見つめ、それを一つ一つ見ていくと決めたと言った。

絡まった糸を丁寧に解くように、薄皮を一枚一枚剥がすようにしていくと、自分を縛り生きにくくいていたことから解放される。

解放されたとき、以前自分がいかにどうでもよいことに縛られ生きにくかったかがわかる。

この開放感と自由な心を取り戻し、自分らしく生きていける。

http://lacan-msl.com/contents.htmlラカン精神科学研究所のホームページ

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