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2009年12月17日 (木)

分析家の独り言(自分の感覚を大事にする)

クライアントの分析を終えて、ふと思い出したことがある。

20歳の頃、神戸の大学の近くで下宿をしていた私は、赤いブレザーを着て実家に帰った。

母はその赤いブレザーを見て「派手すぎる」と言った。

言われた私は、「そうかな」と思った。

しかし、これと言った反論もせず、いつまでも「派手」といわれた言葉が残っていた。

しばらくして、「20歳の私に赤のブレザーが派手というなら、私は一体いつ赤を着るの?」と思った。

それまであまり明るい色は着なかったように思う。

家を離れた開放感からか、私には珍しい赤のブレザーだった。

母はどういう基準で20歳の私に赤いブレザーが派手すぎると言ったのだろうか。

根拠のない、自分の勝手な感覚で軽々しく子どもにものを言うものではない。

もし私が今娘達に同じ様なことを言ったとしたら、非難ごうごうだろう。

私も娘が着るものをとやかく言おうとは思わない。

どうぞ、好きな色の好きな服を着てください。

それが個性だし、50歳を過ぎた私の感覚と、20歳代の娘の感覚が違って当たり前。

だから、相手を尊重し、自分なりの好きを磨いて楽しんでくれればよい。

私は自分でも気付かない色々な親の言葉に縛られ、親の感覚や価値観で生きてきたことがたくさんあったのだろう。

その親の呪縛から解き放たれ、自分の感覚を自分のものとして感じて生きる世界は、私が子どもの頃見ていた世界と違っているはず。

充実感があり、判断に迷うことはあるが自分で考え決めていける。

また、あるクライアントは着られれば服は何でもよかったと言った。

何色のどういうのが着たいということがなく、もらった服でもよかった。

そのクライアントは徐々に自分の好みの服を買うようになった。

自分の感覚を大事にしよう。

それには自分への自信や肯定感が必要。

それがないと他者から否定的言語を言われると、自分はこうだと自己主張できない。

自分は自分でいいのだ。

この世に一人しかいない私。

その私を私が認め、受け入れていけばよい。

その元になるのが、母の承認と賞賛である。

自我がまだ確立されていない子どもにとっては、母の影響は大きく、母の対応と言動によって子どもの自我はつくられていくのだから。

分析では、インテグレーター(分析家)がクライアントに承認と賞賛を与え、気付きによってクライアントは自我を育てていく。

自分の感覚を大事にすること、あらためてクライアントの分析から考えさせられた。

http://lacan-msl.com/contents.htmlラカン精神科学研究所のホームページ

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