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2010年10月27日 (水)

金谷氏今月のメッセージ (平成22年10月)

テーマ「父の言葉」

 分析を通して解かった事は、人は親の言葉を無意識に刻印されていると言うことである。

それが役に立つ良い言葉であるならば、人は幸せな人生を送る事が出来るのであるが、ほとんどの人がそうではない。

逆に不幸な人生を幸せだと思い必死になって生きている。其れは自ら選んだ道ではなく、他者によって作られた道であり、それを自らの道と思い込み突き進んでいるのである。

 何故そうなるのかと言えば、子供時代は自分の思いを上手く表現できず、おまけに親には聞いてもらえない上に、子どもの思いや考えは否定され認めてもらえない。

挙句の果てには、親は自分の不安を子供に押し付け、指示命令を使い子供を思い通りに操り、完膚無きまで主体性を奪い、子供の自己決定能力を潰してしまった。その結果、自らの道を歩む事が出来なくなっているのである。

それ故、それ以後の人生は人の模倣と従属の人生を夢憂病者の如く生きて行くのである。

 

 真の幸福を味わう事無く、今が幸せだと思い込み生きる事しか出来ない。人間は学んだ事しか出来ない為、この流れは変わる事無く永遠に続けられていくのである。

これは母親である女性が主導権を握り、男である父親の力が弱体化してるからだと言える。

親が子供のことを思う気持ちでは、母親には勝てない。十月十日、お腹の中に抱え命がけで出産し24時間体制で母乳を与え、圧倒的に密着度は父親とは比べも飲みならない。

父親は母親に比べ密着は少ないが、だからと言って愛情が母親よりも少ないとは限らない。密着が出来ない分父親には、母親よりも強い他の力が与えられる。触れられない分、回りの状況を確実に把握し、的確な判断で危険回避をし子供を守るのである。子供の言葉や行動からどの様に成長しているのかを判断する。

そしてどんな風に育って欲しいのか、父の思いを伝える為に子供の名前に込められるのである。

事実は意識上の思い以上に無意識に伝えてる事の方が大きい。これを知るには精神分析が一番正確に解る。それ以外にも日々の中で、常に語り続けている言葉でも解る。

「また、お父さん言ってる!」と言う様な中にも真実がある。

 又、父親の愛読書・好きな歴史上の人物・気に入って掲げている絵・書などの中に伝えたい事のヒントが多く隠れている。

母親のように世話をする事により信頼や愛情を教えて行くように、父親は言葉や行動で伝えようとする。其れは男性の中に組み込まれた子孫保存本能があるからである。

 私の父は、名前に「吉」を付ける事に強くこだわったと母から聞いた。理由としては「吉」がつけられた人は、皆偉い人・立派な人になっているからだと言う。父自身は結核と言う病に侵され、33歳と言う若さでこの世を去った。

以前にも書いた事がありますが、父が病床で私に書き残した手記(メモ用紙であったが)にはしっかりと「その親の親の親にもなるなかれ」とあった。

この言葉は、以前は「親を越えて行け」と言うことだと理解していたがそうではなく、その願いもあったかもしれないが、今ラカン理論で言うならば「子供時代を捨て、母子分離をし、父の言葉で子供の自我を去勢して、主の語らいを持って自律をする」と言う事であると解った。

 先月に記したように、野村監督も父親が幼いときに戦死され、高校の時に出会った教師が父親代わりになり、その師が残した言葉「技術の前に人間を磨け」に出会った。

その言葉は、自らの幼い野球に対する考えを打ち砕き、そこから野村ID野球を開眼させたのである。

父の言葉に基づき、自らの考えを生み出していった。正しくラカン理論そのものを具体化したものと言える。

 私の父は自分の模倣をして欲しくなかった。最後の力を振り絞り私を残してくれた。理論上は「何も出来なかった、妻子を守れなかった不甲斐無い父」だと言えるが、私を精神分析に導き、良きクライアントとの出会いを作ってくれた。

死して直、貫く父の信念を引き継ぎ、次の世代に伝えていく真実一路だと心得「真理攫取」名前通りの道を歩み続けていきます。

                            真理攫取


http://www.k5.dion.ne.jp/~kanaya/index.htm金谷精神療法研究所

http://lacan-msl.com/contents.html ラカン精神科学研究所のホームページもご覧ください

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