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2010年12月 3日 (金)

分析家の独り言 396(市川 海老蔵さん殴打事件)

歌舞伎俳優・市川海老蔵氏の今回の殴打事件。

最初は、一緒に飲んでいた相手を介抱してしていたらいきなり殴られたということだったが、調べが進むうち相手側は「最初に手を出したのは海老蔵。酔いつぶれた元リーダーの頭を揺さぶり、コップの酒をかけた。(海老蔵さんが元リーダーに)『何を酔っぱらっているんだ』などと怒鳴っていた」と主張している、という。

真相はまだはっきりしないし、出てきた言葉を鵜呑みにする訳にもいかないが、 もともと「酒癖はあまりよくない」(歌舞伎関係者)と言われる海老蔵氏。

相手を挑発するような言動があったのだろうか。

歌舞伎界にプリンスと言われ、人気も実力もあったと聞く。

しかし一方で、酒癖が悪く今回の事件が起きた時もかなり泥酔していたという。

なぜそこまで飲まなければならなかったのか。

精神分析ではお酒を飲んで酩酊状態になるということは、胎児・新生児に戻ったと見る。

酩酊ということは、自他の区別がなく、母と一体であった時代(胎児・新生児)の状態である。

今に満足し、今を本当に楽しんでいたなら、人は胎児や新生児に戻ろうとしないだろう。

彼は生まれた時から、歌舞伎役者になることが決まっていたはず。

小さい頃から歌舞伎の稽古をしたことだろう。

歌舞伎役者としての彼の生き方は最初から決まっていて、逆らうことは出来なかったのではないか。

生まれた時から、いや男の子であれば生まれる前から、進むべき人生が決まっているということは、精神分析からみればその子は最初から死んでいたということである。

常に主体性ということを重んじる。

自分の主(ぬし)は自分である。

自分が主体的に自分の人生の選択をその都度決めて進んでいく。

そこに自分というもの、アイデンティティ(自我同一性)、自分への誇りや自信価値観(自己愛)が確立していく。

しかし彼の場合、最初から自分の人生を選択する余地は無かっただろう。

そういう意味で彼は真に生きていたと言えるだろうか。

海老蔵氏はいずれ怪我が治れば歌舞伎役者に戻るのだろうが、自分というものを見つめ自分の生き方を問う時期かもしれない。

彼は相手の攻撃性(暴力・怒り)を挑発するということがあるとしたら、それは彼自身の攻撃性でもあると思われる。

この攻撃性はどこから来るものなのか、本来どこへ向けたいものなのか、それらを意識しておかなければ彼はまた同じ事を繰り返すだろう。


彼が特別ではない。

一般にもこういった、子どもが自分の人生を自分で選び決めていく生き方をしていない例はいくらもある。

そうして死んでいた自分をもう一度自分として生き返らせるために精神分析の戸を叩く人達もまた多い。


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