分析家の独り言 454(分析理論講座に通うクライアントの言葉)
月2回開く、唐崎セラピールームでの分析理論講座に通うクライアント達が言う。
「理論、おもしろいですね」と。
ただテキストや本を読んでいるだけではわからないが、症例や私の経験を入れ、噛み砕いて解説しているからだと言われる。
それを「おもしろい(興味深い)」と感じるクライアント達がいることは、私にとって心強く、また励みとなる。
一般的に、精神分析の理論に興味や理解を持つこと自体がまずない。
またその中で語る心の構造、『オールOK』など受け入れない。
我が師、惟能氏が言う、「世間に理解されないことが自分の誇りだった」
「その中で、一握りの人が分析を求めて来た」と。
それくらい一般的ではないし、理解されない。
まず、『オールOK』が世間から総スカンを食らう。
必ず「そんなに何でも子どもの言うことを聞いて、我がままなこになりませんか」といわれる。
折りにふれ理論的に解説していくと、『オールOK』が正しいことがわかってもらえる。
子どもの対応で分析に来られるお母さんは、毎回「オールOKしていていいんですね」
「これでいいんですね」と確認して帰られる。
そうして迷いながらも分析に来て、修正し確認し子どもに対応していこうとするクライアントがいる。
さらに理論を学び、子どもへの対応に活かそうとするクライアントがいる。
人はそれぞれ。
何と出会い、何と関わるか。
分析理論に興味を持ち、道を求めて来たクライアント達とこれからも共に学んでいきたい。
そしてまた、どんなクライアントとの出会いがあるだろうと思うと楽しみである。
インテグレーター(精神分析家) 安朋一実
http://lacan-msl.com/ ラカン精神科学研究所のホームページ
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