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2014年2月10日 (月)

分析家の独り言 507(呑み込みとは)

分裂気質の中になる存在論的な不安定があり、それは『呑み込み』、『内破』、『石化と離人化』の三つです。

『呑み込み』とは、

子どもが何かをしたい、欲しいと思い、母親に言います。

しかし母親は自分の価値観や考えにあったものには「OK」を出しますが、合わないものは「NO」と言います。

例えば、勉強に関する物、役立つものはすぐにでも買いますが、

ゲームなどは「ダメ」と言ったり、買ってもシブシブ買うというようにです。

子どもは母の望み(欲望)を読み取って、母の欲望を我が欲望としていきます。

自分の欲望ではなく、母の欲望通りに動き、母を喜ばせることがいいことだになっていきます。

それは無意識にやっているので、子どものにその意識はありません。

そのため分析で、「あなたは自分で決めて決めてきましたか?」、「母の言いなりになってきていませんか?」と聞くと、

クライアントは、「いいえ、自分で決めてきました。いいなりにはなっていません」と言います。

これは現象化した行為だけをみているので、自分で決めて行為したと思っているからです。

「それでは、学校は誰が決めたのですか?」と聞くと、クライアントは「私です」。

「それがどうのようにして決めたのですか?」と聞くと、「母に勧められました」と。

「それじゃあ、お母さんが決めたんですね」と言うと、「いえ、母がいいと言い、私もいいと思いました」と言います。

子どもの意見や考えを聞いて話し合った結果であればいいのですが、

もともと親子の会話自体があやしいので、子どもが自分で決めたと言い切れないことが多いのです。

親は自分の思うレールの上に乗せたい、

自分の思う通りにさせたい欲望があるので、まだ人生経験の浅い子どもをうまく誘導します。

子どもはそれに気付かず、自分で選んで決めたと思ってますが、知らず知らずのうちに呑み込まれています。

これは子どもも気付きにくいケースです。


また、学校は子どもが自分で選んだので、他のことも自分の意志で選んできたと思っていますが、

日常の細かなことも含め全てを選んだとは限りません。


もっとあからさまに、子どもが行きたいと言った学校ではなく、母親が行きたかった学校に行かせることもあります。

子どもは「嫌だ」と言ったのですが、母親に泣かれ行くしかなかったというものです。


自分をしっかり持たず、空っぽで欲望もなければ、他者の欲望に呑み込まれていくしかありません。

自ら主体的に動くこともなく、他者の欲望で生きる構造になります。


そうすると例えば、他者が「今度あのケーキ屋さんに行ってケーキが食べたい」と言うのを聞くと、

自分は特にケーキを食べたいわけでもないのに、そのケーキを食べに行き、

言った本人により先に「昨日行って食べてきたと」と言う人がいます。


呑み込まれた人は火を水を使います。

親は子どものために良かれと思っていろいろなことを言いますが、それが子ども呑み込むことになっていないか、

自分の望みを一方的に押し付けていないでしょうか。


無意識を知れば現象化をくい止め避けられることがあります。


以上の内容も次回2月20日、インテグレーター養成講座1 性格論Ⅲ<分裂気質>でお話します。


          インテグレーター(精神分析家) 登張豊実



http://lacan-msl.com/ラカン精神科学研究所のホームページ

http://archive.mag2.com/0001106260/index.htmlラカン精神科学研究所メールマガジン

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