分析家の独り言 528(オールOKと心的遺伝子の書き換え)
『 オールOK 』 をしていくクライアントからよくある質問の一つに、
「オールOKは何か問題がある子どもだからするのか、
そもそも子どもへの対応法としてどの子どもにもすることなのか?」と聞かれます。
当然、子どもに問題が有る無しに関係なく 『 オールOK、敏速かつ的確 』 に対応します。
例えば兄弟がいて、問題ある子どもには 『 オールOK 』 するが、
特に問題のない子どもに 『 オールOK 』 しなければ、
差別を感じ、子どもは 『 オールOK 』 されている兄弟を羨ましく思い、
何か問題を起こせば自分も 『 オールOK 』 されるのなら、真面目になんかやってられないと思うでしょう。
『 オールOK 』 することは、子どもに「あなたの欲求、感覚、考え方はOKです」、ということです。
子どもの存在を肯定することです。
自己否定感を持っていては、いろんなことに興味・関心を持って向かっていけません。
更にこれをしたら否定されるのではないか、拒絶され怒られるのではないかと思えば
親の顔色をうかがうことになります。
それでは子どもの言動は自分のしたいことではなく、批難され怒られないことが基準となってしまいます。
これでは活き活きと自分らしさを発揮できず、自分を活かすことができません。
人は皆いろんな可能性を持ち、それをどう活かせるかだと思います。
その芽を子どもの時に摘まれてしまい、子ども自身どういていいかわからず
周り出すサインが問題行動となります。
この子どものサインに親が気付き対応することです。
この時の対応法が 『 オールOK 』 ですが、もともと子どもの個性を尊重し活かす子育て法なのです。
子育てする親自身が、子ども時代育つ過程で命令指示や否定・禁止によって様々に傷ついています。
そのため 『 オールOK 』 しようとしてもコンプレックス(無意識)が止められず出てきてしまします。
それが日々の親の言動に表れ、また子どもの傷つけていきます。
それをくい止めるために、子どものに 『 オールOK 』 をし、親の無意識を分析によって見ていきます。
そうして心の傷=トラウマは心的遺伝子として下の代へまるで祟りのように受け継がれることを止めます。
分析に出会うまで、親から潰されその私がまた子どもを潰していることに気付きませんでした。
何かおかしいとは感じて育ちましたが、何がどうおかしいのかわからないまま親になりました。
ぼんやりと自分と同じ不安や不満を持ち積極的に動けない子にはしたくないとは思っていましたが、
結局は自分がされたと同じことしかできませんでした。
ギリギリ分析に引っかかり、ここまでこれたことは奇跡です。
傷ついたマイナスを帯びた心の遺伝子を読み取り書き変える、
これが精神分析の仕事です。
インテグレーター(精神分析家) 登張豊実
http://lacan-msl.com/ ラカン精神科学研究所のホームページ
http://mama.lacan-msl.com/ オールOK!子育て法
http://archive.mag2.com/0001106260/index.htmlラカン精神科学研究所メールマガジン
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