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2014年5月10日 (土)

分析家の独り言 540(シニフィアン;意味はつくられていく)

精神分析でラカンのいう『シニフィアン(意味生成作用)』ということがあります。
シニフィアンとは意味を生成する作用=運動です。
つまり意味とは生成されるものであって、初めから意味があるのではないということです。
しかし私達は意味は初めからあるものと思っています。
金槌は釘を打つもの、包丁は料理のため野菜や肉など食材を切るものというようにです。
ところが、日曜大工をする人にとって金槌は金槌ですが、時に凶器にもなります。
包丁もそうです。
テレビの刑事ドラマであるように、壺や石などもそうです。
それを使う人の心によって意味が変わり、凶器にもなるということです。
そのようにラカンは「最初から固定した意味は無い」といいます。
人はこの思い込みが強すぎます。
そして自分のシニフィアンを人に押し付けます。
「金槌は金槌として使いなさい」、「それ以外に使い方はない」と。
これが多くの親が子どもに教えることです。
中には頭が硬く自分が絶対正しいと思い込んでいる人は、
徹底的に自分の意味付けを押し付け、それ以外のことを許しません。
「これをあなたのアイディアで、あなたの思うように活かして使いなさい」というのが本来の教育です。
そう言われれば、「じゃあどのように使おうか」となり、
いろんな使い方を考えられるのですが、その自由を奪われています。
これでは枠をはめられ、固定した考え方しか出来ず視野が広がりません。
意味生成の仕方その軌跡、シニフィアンをみていくのが精神分析の仕事です。
この意味付けのをどんどん辿って行くと主体が抹殺された現場に行き着きます。
その場所でその時、意味が発生するはずだったのに、抹殺されたために意味が作れなくなった。
すなわち意味生成作用運動が阻止され停止され、その先に進めなくなりました。
そして言えない、出せない、動けない人間になります。
そこまで辿れば、そこでどんな言葉が使われ、否定されたのかがわかります。
否定された前には肯定の言語があり、否定の言語を書き換えれば欲望が生まれ、
そこから生き返り、生き直すことが出来ます。
                                - ラカン講座より -
           インテグレーター(精神分析家) 登張豊実
http://lacan-msl.com/ ラカン精神科学研究所のホームページ
http://archive.mag2.com/0001106260/index.htmlラカン精神科学研究所メールマガジン

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