分析家の独り言 566(現実否認:空想とアダルトチルドレン)
幼児期の防衛として、現実否認によって防衛する方法があります。
自分にとって現実に不快なこと、嫌なこと、都合の悪いことは認めず、
無かったことにします。
ただ現実否認して無かったことにするだけでは防衛しきれないので、
その現実を打ち消すための空想世界をつくります。
この空想はより具体的に複雑になりリアリティーを持ってきます。
こうして現実味を帯びていき、最終的には妄想になっていきます。
空想と現実の境がなくなってしまうと、空想に確信をもってしまいます。
そこまでいくと病理です。
肉体の年齢が大人になっても、精神の成長がなければ
この現実否認という原始的な防衛を使うしかありません。
自我が発達すると共に、精神構造が再編成・再組織化されて、
防衛機能も変わっていきます。
自我が発達しなければ、防機能も発達せず、
いつまでも同じ防衛法を使うしかありません。
これが“アダルトチルドレン”、いえ“アダルトベイビー”です。
大人になっても防衛法が子どもの防衛のままということです。
防衛法が変わらないで、大人になっても現実を見ずに空想を見ている人。
これが“永遠の少年”、“夢見る夢子さん”です。
地に足をつけ現実を見て、前に進む。
簡単で当たり前のことのように思いますが、実際に出来ているでしょうか。
原始的な防衛法が、刺激や経験によって自我が成長し、再編成されると、
現実否認とう防衛法は、新たな防衛法に置き換えられます。
‐ インテグレーター養成講座1-1 ( 自己防衛4 防衛と機構 )より ‐
インテグレーター(精神分析家) 登張豊実
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