分析家の独り言 635(性格を変えるには)
いろいろな刺激を受けて、私達はそれに反応します。
その反応の仕方、対象への関わり方はある程度固定されています。
それを性格と言います。
もの、こと、人に対してイライラと怒りっぽい人、穏やかに反応する人というようにです。
それは、心の中が不満や攻撃性で多く占められているか、安定して落ち着いているかによります。
多少の違いはあっても、反応の仕方が固定化しているので、
一般に性格は変わらないと思われています。
このワンパターン化された性格を変えるには、一つには刺激を変えることです。
刺激に対して反応するのですから、まず刺激を変えてみる。
例えば、いつも行く飲み屋さんを変えてみるとか、美容院を変えてみるなどです。
いつも行くところには、いつもと同じ人達がいます。
違う店にいくと、違う人がいます。
こうして刺激を変えると、刺激に対する反応の学習パターンも変わるからです。
いろいろな刺激の中の要素である環境を変えてみるといいでしょう。
ただそれには勇気がいります。
人は慣れ親しんだ環境・刺激では、パターン化した行動で対応できるので、
心的エネルギーをそれほど使わなくて済みます。
ところが、新しい環境は予測がつかず、これまでの刺激に対する反応では通用しません。
慣れるまでに時間がかかり、対応や適応するために多少労力がいります。
新しい環境への適応能力や自我がしっかりしていないと、そこから撤退してしまうこともあります。
狭く固定した中では、同じ刺激しかないために反応も変わりません。
これまでとは違う刺激・反応の人とは「疲れる」とか「嫌だ」と言って付き合いません。
これでは付き合う人も限定され、変化の少ない面白味のない人生になります。
しかし、工夫して適応していくと自分が鍛えられ、多様性が身に付きます。
多様性、柔軟性があるといろんな人と付き合えて、また新しい刺激をもらえます。
すると自分の器が広がり、人生の豊さと楽しみになります。
頑固なこだわり症を治すのではなく、別のものに関心を持って働きかけていけば、
自然と性格は変わっていき、発展していきます。
分析を通して、こうした心の多様性、柔軟性、拡張性を学習していきます。
- インテグレーター養成講座1 性格論- より
インテグレーター(精神分析家) 登張豊実
http://lacan-msl.com/ ラカン精神科学研究所のホームページ
http://mama.lacan-msl.com/ オールOK!子育て法
http://archive.mag2.com/0001106260/index.htm lラカン精神科学研究所メールマガジン
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