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2015年9月 7日 (月)

分析家の独り言 699(知らずに子どもを追い込む)

私はスーパーに買い物に行き、

小学校3年生くらいの小柄な男の子が、氷を袋に入れようとするのを見ました。

こからか「そんなにたくさんは要らんよ」という、大人の声が聞こえ、

この子はお母さんに頼まれたんだと思いました。

男の子は、ドライアイスと製氷機があり、

ドライアイスの機械に触ってみたが、これは違うらしいと気が付きました。

隣の製氷機のふたを開け、氷が入っているのを確かめ、

氷を入れるための袋を探します。

大人の目線からは製氷機の上に置かれた袋はすぐ目につきますが、

背の低い子どもの目線からはわかりにくい。

それでも周りを探しながら袋を見つけました。


の様子をすぐ横で見ていた私は、「氷はこれだよ」、「袋はここにあるよ」と

教えようかと思いましたが、

男の子は自分で何とかしていくようなので、口を出さず見ていました。

男の子は傍におじいさんが立っていることに気が付きました。

氷を入れる前には、おじいさんに先を譲ろうとしましたが、

おじいさんは、「いいよ、先にやって」「電子レンジを使うから」と言いました。

男の子はちゃんと氷を袋に詰めて行きました。


見ていた私は、子どもって何とか自分で考えてやっていくものなんだ、

すごいなと思いました。


ところが氷を持って行った男の子は「早く、早く」「早くせなあかんやろ」と、

おばあちゃんに言われました。

頑張ったのに、「早くしないといけない」、つまり「遅い」ということか。

手慣れた大人には簡単なことで、素早くできても、

不慣れな子どもには時間がかかります。

あんなに頑張ったのに、かけられた言葉は「ありがとう」ではなく、

「早くせなあかんやろ」なのか、と思いました。


このおばあちゃんの中では、時間に対する切迫感があり、

いつも「早く」「早く」の声を聞いています。

現実を見ようとも知ろうともせず、自分の内的世界をみて言葉にします。

そうして孫にも知らず知らずの内に、おばあちゃんの「早く」「早く」が

浸透していき、やがて病理へ追い込むことになるでしょう。

子どもが問題行動や病理に至った時には、もう原因はわからなくなっています。


親や大人は子どもの様子を見ていないで、結果だけを自分の主観で

「早い、遅い」「良い、悪い」と評価します。

私も子育てする中で、自分では何も気が付かず子どもを結果だけで評価し、

褒めたり、ありがとうの感謝の言葉や、

労をねぎらう言葉をかけなかったに違いない。

そればかりか、自分のコンプレックスやその時の気分で怒ったり、

非難したり、否定したりしていたはずです。


よほど気をつけないといけません。

いいえ、気をつけようとしても無意識に行われるため、止めることは難しいことです。

自分の意識とは反対に、子どもにマイナスを植え付けてしまう

無意識の恐さがあります。


自分の無意識を知ることから始めることが肝要と考えます。


インテグレーター(精神分析家) 登張豊実


http://lacan-msl.com/ ラカン精神科学研究所のホームページ

http://mama.lacan-msl.com/ オールOK!子育て法

http://archive.mag2.com/0001106260/index.html ラカン精神科学研究所メールマガジン

http://www.sifuku-no-yakata.com/ 始源回帰セラピー



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