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2015年10月19日 (月)

分析家の独り言 711(絆:家族仲良く)

PTSD者(心的外傷者)の治療の目的は、患者の回復を促進すること。

そしてこの人間関係において、治療者は患者・クライアントの同盟者になることです。

それは、クライアントは安全であるはずの家庭や社会で、信頼を裏切られた人なので、

治療者である分析家は絶対に裏切らない、つまり同盟者となります。

子どもが一番信頼し、愛着し、守ってもらいたい人は親です。

ところが、この親から叩く、無視するなどの虐待を受けると、

子どもはどこにも頼れず、助けを求める事もできません。

そん中で育てば傷を負い大変苦しく、人への不信や恐怖を持ちます。

分析者と同盟関係を結べば、何かの時に守ってもらえるという安心感になります。

分析者はクラインとにとって、裏切らない、信頼してもいい、大丈夫、守られる

という存在になり、クライアントを支えます。

こうなった時、クライアントは分析者に心を許し、心を開くことができます。

やはり、信頼、ラポールということが人間関係の基本ということです。

01.5歳の口唇期に獲得されるべき『基本的信頼』をしっかりつくっておくことが大事です。

基本的信頼を持っている親は、まず子どもを虐待することはありません。

この裏切らない、信頼できる、大丈夫、守られるということを

精神分析以外で求めるとしたら何になるでしょう。

それが神であり、宗教になると考えられます。

神を信じて拝んでいれば、裏切られることはなく、守られると思えます。

それは、神が裏切らないのはしゃべらず沈黙しているからです。

語らなければ否定も、裏切りもありません。

私事ですが、私の親は熱心に宗教をしました。

その宗教を信じ、自分達ばかりか子どもである私にも宗教を強制しました。

私はそれがたまらなく嫌で苦痛でした。

分析理論を学ぶ中で、家族が信頼と愛と絆で結ばれていたなら、

家族がその人の心の支えとなり拠り所となると知りました。

そうであれば、家族の団らんや結びつきを度外視して

宗教に走ることは無かったと思いました。

やはり私の両親もPTSD者だったということです。

なぜあれほどまでに宗教に突っ走ったのか、子どもの私にはわかりませんでしたが、

精神分析がその理由を教えてくれました。

やりたくもない宗教を強いられて苦しみましたが、理由がわかり納得すると

それだけのことだったのかと捨てられます。

納得のいかないことが人を悩ませます。

世界中に家族の問題が溢れています。

心的外傷の理論を解説しながら、またいろいろ考えさせらます。

家族仲良く、その最小単位である夫婦関係が良好であることが大事だと

つくづく感じます。

そのための支援・サポートを、分析を通していていきたいと考えます。


     - インテグレーター養成講座Ⅰ 自己防衛Ⅲ 回復 - より

 1018日 インテグレーター養成講座で話した内容の一部です)


インテグレーター(精神分析家) 登張豊実


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