分析家の独り言 723(自己愛:神に成り上がっていた私)
『人は自己愛を命懸けで守る』
多かれ少なかれ人は自己愛が傷ついています。
その傷つきを自分も見ないように、それを気付かないように生きています。
しかし、無意識にしまわれています。
今からおよそ19年前になるでしょうか、
インテグレーター養成講座を、学んだ中で、
『自己愛』の項目がさっぱりわかりませんでした。
当時、病的な肥大した自己愛さえも自分にはないと感じていました。
後に、私がインテグレーター養成講座をするようになって、
テキストや当時のノートを読み直したとき、
究極の自己愛、最大の自己誇大感は「神に選ばれた私」という意識である、
とありました。
そんな意識は自分にはない、と相変わらず思いました。
ところがまたある時、「自分が神だと思っている人間は、
失敗した時、物事が上手く行かなかった時、パニックに陥る」
「凡人であれば、上手くいかない事が普通で、上手くいけば儲けものだと感じる」
とありました。
この文章を読んだとき、「あれっ」と思いました。
私は怒られて育ったために、失敗したり、上手くいかないと、
「また怒られるのではないか」という恐怖の意識があって、
通常以上に焦ったり、動揺したりしてパ二クるのだ」、と
思っていました。
ところがこの文章を読んだとき、違っていたかもしれない。
本当は自分が神だと思っているのかもしれない、と思いました。
これは大変な事だと気付きました。
『神に選ばれた私』どころではなく、『神になった私』でした。
もう人間界には居ないという事です。
何というおごり高ぶりか。
しかし、『神になった私』だとすると、
些細な事で必要以上に動揺することの納得がいきました。
これは急いで自分を神の位置から引きずり降ろし、
人間にならなければいけません。
教育分析の中で、スパーバイザ―にも「私は神だと思っているようです」
と話しました。
スパーバイザ―に、「その通りだ、200%間違いない」と言われました。
また、神にまで成り上がらなければ守れないほどの自己愛の傷つきを
抱えていたのかと、認識しました。
このことに気付いてから、徐々にパ二クることが少なくなり、
冷静に目の前の事に取り組むことが出来るようになりました。
そして、とても楽になりました。
「気付きが全てである」、と分析では言いますが、その通りです。
精神分析と、その理論を学びたいと言ってくれるクライアントのお蔭で
気付かせてもらいました。
ありがとうございます。感謝です。
インテグレーター(精神分析家) 登張豊実
http://lacan-msl.com/ラカン 精神科学研究所のホームページ
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http://www.sifuku-no-yakata.com/ 始源回帰セラピー
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