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2016年2月 8日 (月)

分析家の独り言 732(子どもは一喜一憂する親を真似る)

私達にはいろいろな自我があります。

例えば、楽しむ時の躁的自我、情熱的に対象に向かう自我、自信のある自我、

感動できる自我、物事を分ける分裂的自我、悲しむ自我、怒る自我…などなど。

ある時、入試の失敗した、騙された、失敗した、貶されたなどの

外からの刺激に自我が傷ついたとします。

その時、抑うつ気分感情が発生します。

(抑うつ気分とは、気分が沈み憂うつになり意欲が低下する事)

この抑うつ気分が、傷ついた自我一つだけに限局化し留まればいいのですが、

自我構造が脆弱であると、他の一つ一つの自我境界も弱いため、

抑うつ気分になった・うつ的自我が漏れ出して、他の自我を侵食していきます。

楽しむ時の躁的自我、情熱的に対象に向かう自我、自信のある自我が侵食されます。

このように抑うつ神経症は、限局化できないために、

自我全体にうつ気分が広がりやる気がなくなり、辛く嫌な気分になります。

一つの不快な憂うつな気分が一日中続き尾を引くと、

楽しい事があっても楽しめなくなります。

楽しみにしていた旅行の前に、何か嫌な事が起こると、

旅行を止めてしまうことになります。

だから、子育てする中で、お母さんが一喜一憂しないことが大事です。

少し良いことがあると大喜びし、少し良くないことが起こると落ち込む。

子どもはそのお母さんの様子をいつもよく見ています。

お母さんの気分や感情、情動がコロコロ変わると、

子どもは同じようにお母さんの変化に合わせて、つられて

気分や感情が変わります。

お母さん、そしてお父さんの自我の構造が脆弱であれば、

うつ気分を限局化できずに一喜一憂してしまい、

その姿を子どもは見て真似るため、子どもは限局化することを学べず、

両親と同じように自我構造は脆弱にならざるを得ません。

親は恒常性を持って、多少の浮き沈みはあっても

一定のラインで安定した心・気分を維持すると、子どもの心も落ち着きます。

そこだけに留め限局化できるという事は、自我の分化と統合ということであり、

それは多様性に繋がっていきます。

こういう自我構造をまず親や大人が持ちたいものです。

         - インテグレーター養成講座Ⅱ 病理・抑うつ神経症- より

インテグレーター(精神分析家) 登張豊実

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