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2016年3月10日 (木)

分析家の独り言 738(うつ病:興味・喜びの喪失 No.2)

うつになると、喜びの感情が失われてしまいます。


そもそも喜びが無いとは、楽しいと感じられた経験が少なく、

それに伴う共感が無かったためです。

自分が興味を持って対象に向かい対象を味わうとは、

そこに楽しさや喜びが感じられます。

それを子ども時代に、そばに居て支援してくれる親が共に喜んでくれたかです。

「喜びは倍になり、悲しみは半分になる」といいます。

この共感、分かち合いが大事です。

共に喜んだり悲しんだりしてくれる親がいた人は仕合せです。


うつ病者はこれらの経験がなく、対象への関心が無くなるために、

「あれがしたい」、「これをしよう」という意欲がありません。

関心も興味もないのに対象と関わるため、本来ならその対象との間で生まれる

楽しい・面白いという味わいが感じられません。

そこには充実感も喜びありません。


それでも何とか懸命に対象と関わろうとしますが、

抑うつ気分に陥り、興味を失っているため、

以前は味わえた喜びや楽しみが湧いてきません。

そのことにまた落ち込んでしまいます。

何を食べても砂を噛むように美味しくなく、

何をしても楽しくなく、

周りは楽しそうに盛り上がっているのに、自分は盛り上がれず

一人置いてきぼりにされていくと感じます。


それによって、母に見捨てられた過去の経験が蘇ってきます。

貶されたり、否定されたり、無関心であったり、無視されたりした

過去の記憶が無意識の中にあります。


日々子育てする中で、「そうだね」という

同意し承認する言葉をかけるといいでしょう。


      - インテグレーター養成講座Ⅱ 病理・躁うつ病 病相編- より


インテグレーター(精神分析家) 登張豊実


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