分析家の独り言 752(オールOK No.12:子どもの可能性を奪わない親の対応)
ある時、娘と出かけ電車に乗りました。
混んだ車内で、私は吊り革を持っていました。
大きめの荷物を持った娘は、私のすぐそばに居ましたが
何も支えになるものを持っていませんでした。
電車が揺れて、私は思わず娘の手を握りました。
そして、娘の手をすぐに離しました。
以前の私なら、危ないからとその手をずっと握り続けていたかもしれない。
いつもでも娘の手を私が握っていたら、娘は自分で身を守る事を考えられなくなる。
そんな考えが浮かびました。
これまで自分では良かれと思ってしてきたことも、
娘達の成長のためになっていたのだろうか、と。
私の自己満足や勝手な思い込みでしてしまったことも多かったはずです。
子どもは日々成長しているのに、親はいつまでも子ども扱いして、
口出しし、手出しまでして、子ども自身が伸びていこうとする意欲や可能性を
奪い取ってしまうことがあります。
親はいつまでも自分を頼り、子どもに必要とされたいという無意識が潜んでいます。
頼られ、必要とされる自分である事は、それだけ自分に価値があると思えます。
人に付きまとう『自己愛』という自分への価値をもう一度見直す必要があります。
健康な自己愛は必要であり、それをどのようにして満たすか。
病的な自己愛は、子どもを親の自己愛を満たす道具にしてしまいます。
親の自己愛を満たすための道具として扱われた子どもは、
当然病んでいき、問題行動を起こし、サインを出します。
基本、子どもから言われた事だけするのが『オールOK』です。
クライアント達から「子どもに言われた事だけするのは難しい」と言われます。
簡単・単純なようで『オールOK』は奥が深く、
『オールOK』されずに育った親にとっては、
正しくその意味と内容を理解して実践する事は大変な事です。
そのため、個人の分析でそのやり方や親の養育史・無意識に触れ、話し合います。
『オールOK』はじめ、人間の心の発達や構造について
各理論講座(インテグレーター養成講座・分析理論講座)で学んでいくクライエントがいます。
http://archives.mag2.com/0001106260/20160801100000001.htmlラカン精神科学研究所メルマガ8月発行、No.77「家族:子どもの問題行動は夫婦の不仲に始まる」でも書きましたが、
一たび子どもの不登校など問題行動に至るまでには、
何度か子どもからサインが出ています。
身体の病と同じように、心も早期発見・早期治療が大事です。
サインに気づいて早めの対応が出来ると、子どもへ負担も軽減されます。
しかしもちろん、問題行動が出た時点から対応すれば解消されていきます。
永年かけてマイナスを積み重ねた事は、それなりの時間もかかります。
しかし、根気よく取り組む過程で、親自身が気付き、変わり、
成長・発展していきます。
それに伴って子どもも成長・発展していきます。
インテグレーター(精神分析家) 登張豊実
http://lacan-msl.com/ ラカン精神科学研究所のホームページ
http://mama.lacan-msl.com/ オールOK!子育て法
http://archive.mag2.com/0001106260/index.htm lラカン精神科学研究所メールマガジン
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