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2017年2月11日 (土)

分析家の独り言 773(自立と依存)‐No.1‐

自立には、経済的自立、空間的自立、心理的自立があります。

それまで親に頼っていた生活するためのお金を、自分が仕事をして稼ぐ。

親から空間的に距離を取り離れて暮らす。

心理的に親離れし、自分の考えや価値観で生きる。

この三つの自立が『独立心』に繋がります。


精神分析はクライアントが、自己決定能力を持ち自立に向かう事を目的とします。

肉体の年齢は大人であっても、精神的年齢が肉体の年齢に相応しているとは限りません。

むしろ一致していないことが多く、これが問題になります。

精神的に子どもでも、社会的には結婚し子どもを持てば親になります。

しかし、子ども(精神的子どもである親)が子どもを育てても、子どもを育てられません。

当然、子どもは育ちません。


そんな当たり前のことも知らずに生きて来て、親になってしまいました。

余りにも親になる事を安易に考え、産めば育てられるだろうと思っていました。

その事が愚かであったと気付いたのは、精神分析を知ってからでした。

子ども時代の依存と甘えを持ったまま親になった私は、

精神分析で20年をかけて、自立を目指してきたことが改めてわかります。

子ども時代のままの依存心を持った人達には、自立を目指すことは、

突き放される、厄介払いされる、果ては見捨てられると受け取ります。


自分に自信も肯定感もなく、不安と心配の塊で、とにかく人に頼りたい。

その一方で、学生時代などは友達などいらない、一人が気楽でいいと思っていました。

それは結局、自分を全て受け入れ、

自分の願いを全て叶えてくれる理想的親のような人を求めながら、

しかしそんな自分の望む人はいないから、それならいっそ一人でいいと諦めた。

『愛着』という事も学習しておらず、

健康な意味での『依存』である『信頼』も知らずにいたという事です。

何と歪んだ寂しい人生を送ってきたのか。

あのままでいたら…と思うと、恐ろしくなります。


精神分析は人間でないものが人間になるための道へ導いてくれました。

次回、212()午後830分からSkypeでの『精神分析理論講座』で話す

テキスト(インテグレーターになるⅧ 無意識的躁病)を読んで、

自分の事を振り返り、考えました。

精神分析の理論は学ぶたびにいろいろな事を気付かせてくます。

クライアントと共に学べる事、そしてその機会を与えてもらった事に感謝します。


              ラカン精神科学研究所 セラピスト 登張豊実


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